「荒坂長者」
「荒坂長者」は、まんが日本昔ばなしで放映された、日本昔話の1つです。
あらすじ
北国のある村に住む貧しい男がいました。ある日、山の中を歩いていると、小さな観音様を見つけました。男は観音様に毎日お供え物をし、一生懸命にお祈りをしました。
するとある日、観音様が姿を現し、「たくさんお祈りしてくれたので、お前の願いを叶えてやろう。この刀はどんな願いでも叶えてくれるぞ」と言いました。
男は大喜びで刀を持ち帰り、貧乏が嫌なので「お金が欲しい」と願いました。すると、たちまちお金がドンドン湧き出てきました。男は大金持ちになり、「荒坂長者」と呼ばれるようになりました。
しかし、荒坂長者はだんだんと欲深くなり、お金があれば何でも手に入ると勘違いするようになりました。ある日、荒坂長者は「自分は天下で一番だ!」と自慢をし始めました。すると、雲の中から雷鳴が轟き、雷が荒坂長者に落ちました。
その後、荒坂長者は消え去り、お金もすべて消えてしまいました。
教訓
この話は、お金や物質的な豊かさに頼りすぎず、謙虚さや思いやりが大切だということを教えてくれます。また、欲深さや傲慢さは身を滅ぼすことを警告しています。
登場人物
- 貧しい男
- 観音様
- 荒坂長者
備考
- 「荒坂長者」は、室町時代に書かれた説話集「今昔物語集」に収録されている「鉢かづき姫」という話をもとにしています。
- 「鉢かづき姫」では、刀ではなく鉢が願いを叶える道具として登場します。
- まんが日本昔ばなしの「荒坂長者」では、荒坂長者の最期が雷に打たれるという設定になっていますが、今昔物語集の「鉢かづき姫」では、主人公が鉢を捨てた後に突然大金持ちになります。