『さるやの石』
あらすじ
ある村に、お金持ちのさるや長者が住んでいました。長者はとても意地悪で、村人に税金を厳しく取り立て、貯めたお金を大きな石に包んで庭に埋めていました。
ある日、村に貧しい木こりがやってきて、こっそりさるやの庭に忍び込み、石を掘り起こしてしまいました。しかし、そのとき長者が戻ってきて、木こりは石を元の場所に戻して逃げ出しました。
夜になり、長者が庭に出て石を確認すると、布が破れてお金が落ちていました。長者は木こりが盗んだと疑い、村人に捜索を命じました。
木こりは逃げましたが、森の中で道に迷ってしまいました。すると、大きなサルが現れて木こりを助け、自分の洞窟に連れて行きました。
サルの洞窟には、盗んだお金がすべて落ちていました。木こりは喜び、サルにお礼を言って村に戻りました。
村人たちは木こりがお金を見つけたことを知り、長者のもとへ集まりました。長者は、木こりがお金を盗んだのではないかと疑いましたが、お金がすべて戻ってきたのを見て、疑いを解きました。
それからというもの、長者は改心して優しい人になり、村人たちも幸せに暮らしました。また、木こりを助けたサルは「さるやの石のサル」と呼ばれ、村人に慕われました。
教訓
- 意地悪は必ず自分に返ってくる。
- 優しさは人を救う。
- お金は幸せをもたらすわけではない。