『隠れ島の婿さま』
あらすじ
昔、貧しい山里に娘のタエがいました。タエは親切で働き者でしたが、容姿に自信がなく、結婚相手が見つかりませんでした。ある日、タエは村外れで傷ついた鳥を助けます。鳥は「お前の親切をお返しする」と言い残して飛び去りました。
その夜、タエは洞穴の中で不思議な男に出会います。男は「私は隠れ島の婿さまで、あなたを妻にしたい」と言います。タエは戸惑いますが、男の優しさに惹かれ、承諾します。
しかし、隠れ島の婿さまには掟があり、タエは決して彼の素顔を見てはいけません。もし見てしまった場合、彼は島から消えてしまうというのです。タエは約束を固く守りますが、ある日、好奇心から男の顔を覗いてしまいます。
男はすぐに姿を消し、タエは悲しみに暮れます。その後、タエは里で働き者として慕われ、いつしか男への思いは忘れかけていきました。
結末
数年後、タエは山で傷ついた鳥を見つけます。鳥は助けてくれたお礼として、タエに美しい着物を贈ります。タエが着物を着て里に帰ると、そこには隠れ島の婿さまの姿がありました。
男は約束を破ったことで罰を受け、人間界に送り返されてきたのです。タエと男は再会を喜び、幸せに暮らしました。
登場人物
- タエ: 貧しい山里の娘
- 隠れ島の婿さま: 謎の男
- 鳥: タエを助けた鳥
教訓
- 約束は守ることの大切さ
- 外見よりも内面が重要であること
- 恩は返すこと