『エビとカラス』
あらすじ
昔々、川に住むエビが、空を飛んでいるカラスを見てうらやましく思った。エビはカラスに「どうか、私にも空を飛ぶ方法を教えてください」と頼んだ。カラスは「それは無理だよ」と取り合わなかった。
しかし、エビはあきらめずにカラスに懇願し続けた。とうとう、カラスはしびれを切らして「いいだろう。でも、私の言う通りにしなくてはならないぞ」と言った。
カラスはエビに、自分の口ばしにしっかりとしがみつくよう指示した。そして、高く飛び立った。エビは恐怖で震えたが、必死にカラスにしがみついた。
カラスは高く舞い上がり、村人たちが集まる場所の上空まで行った。村人たちは、空を飛ぶエビを見て大騒ぎした。エビは得意げに、自分がカラスと一緒に空を飛んだ自慢話をした。
しかし、カラスは急降下して、エビを近くの池に落とした。エビは水中に落ち、カラスは去っていった。
エビはカラスの仕打ちに怒ったが、もう空を飛ぶことはできなかった。
登場人物
- エビ
- カラス
教訓
- 欲張りをしてはいけない。
- やっかみは身を滅ぼす。
- 自分の限界を受け入れることが大切。
備考
- この話は、広く知られているイソップ寓話の「カラスとキツネ」に似ています。
- 「エビとカラス」は、大日本図書発行の『まんが日本昔ばなし』第12巻に収録されています。